板切れの様な駅に降りる儚げな少女が1人寒風吹き荒ぶ荒野の中ぽつんとあるホーム雪が降りそうな雲の下ぽつんと佇む少女やりきれない事があると彼女はここに来る次の列車まで2時間思い切り泣くのだ小さな駅は小さな少女を無言で受け止めていた
感想のほど、ひじょうに感慨深く読ませていただきました。
この詩はまさに下山さんの郷愁と様々な追憶に彩られたものなんですね。
こうして作者を知ることによって、まったく詩の印象が変わる、これもとても不思議です。
もちろん有名な詩人歌人たちはその大前提があるから、我々は当たり前のように意味を汲めたり感動したりできるわけで。
こうやってリアルタイムでその詩人の内側に触れて、詩を読み解く、これってある意味、詩人として最高の僥倖なんじゃないかと思ったりします。
ふと、この少女は何の暗喩だろう、と考えていました。
もしかすると作者のペルソナの一つ、もしくは身近な人間の映し身、それとも本当に作者が現実に見ている人物と光景なのかもしれない、色々、考えたけれど、けっきょく分かりませんでした。
何気ない事実の羅列であるのに、読み手に色んな印象を与える不思議な詩だと感じました。